元ペットショップ店長の戯れ言

数年前まで、ペットショップで店長をしていた経験を元に、犬との生活のアレヤコレヤを綴っていきます

生後一年以内の子犬がワクチンを数回打たなければならない理由と注意

成犬は年に1回だけ接種すればいいワクチンですが、生後1年未満の子犬はワクチンを2回から3回接種が必要となります。

なぜ数回、子犬はワクチンを打たなければならないのでしょうか。

母犬から貰う抗体

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母犬が子犬を産んでから24時間以内の母乳を「初乳」といい、この「初乳」には子犬を病気から守る「抗体」が多く含まれています。母親からの「免疫」をしっかり受け取るためには、子犬は「初乳」をしっかりと飲まなくてはなりません。

母犬の初乳から得られる抗体を「移行抗体」といいます。

そして、この母犬から受け取る免疫が、しっかりと付いている間はワクチンを接種しても子犬の体に新たな免疫を付けることが出来ません。

移行抗体はいつ無くなるか解らない

移行抗体による免疫力が低下してくるのが生後45日後からです。生後45日頃から徐々に低下し始めて生後90日後頃には、ほぼ母犬から譲り受けた免疫は無くなると言われています。中には生後120日頃まで免疫が続く子犬もいるようですが・・・。

そして、この「徐々に低下」ですが、低下していくスピードや量・低下し始める時期・免疫が無くなる時期は子犬によって違うのです。

その為、ペットショップなどで販売されている子犬のワクチンスケジュールは、例えば生後45日前後で1本目のワクチンを接種した場合、その30日後である生後約75日に追加接種、さらに30日後の生後約105日後に追加接種し、計3回のワクチンを接種となるわけです。

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免疫力というのは、環境の変化やストレスなどにより変化します。ペットショップに来る子犬たちは、母犬や兄弟達と離されてやってきます。その時に受けるストレスは大変大きいと予想され、当然移行抗体による免疫の低下も考えられる。

ですので、ペットショップなどは早め早めのワクチン接種を心がけることになるのです。

余談・・・

以前働いていたペットショップではの話ですが、まずワクチンを接種し数日様子を見てから店に子犬は到着してました。

人気犬種は兄弟で入れて同じ犬舎に兄弟犬を入れてましたが、子犬の体調は崩れにくかったように記憶してます。

移行してくれる抗体の種類

当然ですが、母親がもっている抗体が子犬に分け与えられるものが「移行抗体」です。母犬が最近かかって完治した病気の抗体、又は母犬がワクチン接種をうけて付いた抗体しか移行しません。

子犬がかかってしまった場合、死亡率の高い「パルボウイスル」ですが、母犬がウィルスに感染し完治したことが最近あるか、ワクチンを接種していなければ子犬の体には「犬パルボウイス感染症」の抗体は0ということになります。

ショップ店員からすると恐ろしいですが・・・。

ですので、多数の子犬が集まるペットショップでは少し早めであってもワクチンを接種する必要があるのです。

ワクチンを打ってはいけない時

犬の体調が悪いときには絶対うちません。抗体がつきやすいといわれている「生ワクチン」を接種するのですが、「生ワクチン」は弱毒化されているウィルスが入っています。

弱く弱くしたウィルスを犬の体に入れて、体にウィルスと戦わせ抗体を付けていく。弱毒化されているとはいえ、打つのはウィルスです。体が弱った犬にワクチンを接種した場合、ワクチンに犬の体が負けてしまう恐れもあるのです。

・食欲が落ちているとき

・下痢や嘔吐をしているとき

・数日前や数日後に長距離移動などのストレスがかかる可能性があるとき

などの場合は、ワクチン接種を見合わせるようにしましょう。

妊娠中の場合はワクチン接種は控え、老犬の場合は獣医師としっかり相談をしてから接種を考えて下さい。

ワクチンの種類

ワクチンの種類ですが、色々あります。

動物病院によって扱っているメーカーや種類もまちまち。病院によっては通常1種類しかワクチンを置いていないというところもあります。

ただワクチンにこだわりがある場合は病院に頼めば、取り寄せてくれる可能性もあるので病院に聞いてみましょう。

個人的にはワクチンには、こだわるべきだとは思いますが・・・。

「生ワクチン」の他に「不活化ワクチン」というものもありますが、免疫力の継続期間が短いと言われています。

2種混合ワクチン

子犬がかかった場合の死亡率が高い「犬パルボウイス感染症」と「犬ジステンバー」の2種類を予防するワクチン。

5種混合ワクチン

上記の「犬パルボウイス感染症」「犬ジステンバー」に加え「犬アデノウイルス2型感染症」「犬伝染性肝炎」「犬パラインフルエンザウイルス感染症」の5種類を予防。個人的には5種で十分だと思ってます。

6種・8種混合ワクチン他

6種には上記の5種に「犬コロナウイルス感染症」をプラス。8種は6種に「犬レプトスピラ感染症」2種類がプラスされています。

さらに11種などもありますが、6種以上は「犬レプトスピラ感染症」の種類が増えるだけです。

レプトスピラ感染症はネズミなどが主な感染源で、人にも伝染する病気です。山で遊ぶことが多い・予定がある犬や猟犬などは接種の必要がありますが、家の中で生活している犬に必要なのかどうかは疑問。獣医さんと相談して考えてみてください。

まとめ

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ワクチンは恐ろしウイルスから子犬を守る唯一の方法です。

ワクチンを接種することで、外で遊ぶことや他の犬と友達になることもできちゃう。

しっかりワクチンの計画を立てて、抗体をしっかり付けてあげるのは飼い主の大事な役目なのです。